ドイツ連邦雇用庁(BA)が5月29日発表した同月の失業者数は前月を7,000人上回る223万6,000人へと増加した。5月は例年、失業者が減少する月。それにも関わらず増加したことについてBAのデートレフ・シェーレ長官は、景気低迷の影響が労働市場に波及し始めたことが一因だと明言した。失業者数は季節要因調整後の実質では前月を6万人上回っている。名目失業率は横ばいの4.9%だった。
国際労働機関(ILO)の基準に基づく4月の失業率は3.2%で、3月の3.5%から0.3ポイント低下した。
5月求人件数は79万2,000件で、前年同月から1,000件減少した。季節要因を加味した前月比は6,000件減となり、2カ月連続で縮小。求人指数BA-Xは前月を3ポイント下回る248へと落ち込んだ。前年同月比では減少幅が6ポイントに上る。求人件数の水準自体は極めて高い。
求人件数が減少したのは製造や運輸・物流、人材派遣業界。景気の影響を受けにくい医療・社会保険分野や、住宅ブームに沸く建設業界では堅調を保っている。