NOx濃度規制の違反都市が減少

ドイツ連邦環境庁(UBA)は17日、欧州連合(EU)の窒素酸化物(NOx)濃度規制に違反する国内都市が昨年は57カ所となり、前年の65カ所から8カ所、減少したと発表した。マリア・クラウツベルガー長官は同規制の順守に向けた措置が奏功したとしながらも、違反都市の数が依然として多いことを問題視。すべての都市で順守するためにはディーゼル車のソフトウエアを交換するだけでなく、排ガス処理用のハードウエア(尿素SCRシステム)を後付けする必要もあると強調した。

EU加盟国はNOx濃度を1立方メートル当たり40マイクログラム(年平均)以下に抑制することを2010年以降、義務づけられている。ドイツでは首都ベルリンを含む多くの都市で同規制を遵守できない状況が続いており、西南ドイツのシュツットガルトでは裁判所の命令を受けて今年1月から欧州排ガス基準「ユーロ4/Ⅳ」以下のディーゼル車の市内走行が禁止された。違反都市はそうした事態を避けるために対策を取っている。

17年の違反65都市のうち13都市は18年に遵守できた。その一方で17年に遵守していたライプチヒ、ウルム、コブレンツ、エシュヴァイラー、ジンデルフィンゲンの5都市が18年は遵守できなかったことから、違反都市の減少幅は8カ所となった。全測定地点のNOx濃度は平均1.5マイクログラム低下した。

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