包装機械大手の独クロネス(ノイトラウプリング)は11日、2019年の売上高税引き前利益率を従来予測の約6%から同約3%へと引き下げた。世界経済の減速や米中の通商摩擦のほか、プラスチックごみ問題を受けて飲料メーカーが発注を見合わせているためだ。同社は収益力改善に向けた措置を取る意向を表明した。
PETボトルなどのプラスチックごみは現在、途上国を中心に適切に処理されずに投棄されている。これが河川を通して海に流れ込み、魚や鳥の誤飲や微細化(マイクロプラスチック化)を通して生物が摂取。魚介類からはプラスチックが検出されている。魚介類は食物連鎖を通して最終的に人が食べることから、人もマイクロプラスチックを体内に取り込むことになる。
これがメディアの報道を通して大きな社会問題に発展し、欧州連合(EU)などの当局が規制に乗り出していることから、プラスチック製包装材入りの飲料などを避ける消費者が増えている。独飲料卸売業界全国連盟のディルク・ラインスベルク専務理事は『ヴェルト』紙に、「我々は現在、ガラス瓶ルネサンスのただ中にある」と明言した。
PETボトル詰め機械は収益力の高い製品であることから、同機械の需要減はクロネスにとって大きな痛手となっている。
収益力改善に向けて同社はすでに、新規採用を停止するとともに、材料コストの圧縮に取り組んでいる。今後は組織の簡素化を通して市場動向と顧客ニーズに迅速に対応できるようにする考えだ。
内部成長ベースの売上成長率で年3~5%、売上高税引き前利益率で同6~8%を確保するとした中期目標は据え置いた。