ドイツの一般世帯が保有する金融資産の総額は3月末時点で前年12月末を2.6%(1,535億ユーロ)上回る6兆1,695億ユーロへと拡大し、過去最高を更新したことが、連邦銀行(中銀)の発表で明らかになった。資産形成(可処分所得-消費支出)で約870億ユーロ、株式などの評価益で約660億ユーロ増加した計算だ。
資産形成の内訳をみると、現金・預金が387億ユーロで最も多く、これに保険が196億ユーロで続いた。高リスク高リターンよりも安全性を重視するドイツ人のメンタリティが反映された格好。株式は68億ユーロで、資産形成の8%弱にとどまった。
手持ちの現金はインフレで価値が目減りし、預金も歴史的な低金利でほとんど利息がつかないにもかかわらず、一般世帯が保有する現金と預金の総額は2兆4,942億ユーロと、金融資産全体の40%を占める。ただ、株式や投資ファンドなどリスクを伴う資産も2014年以降、拡大傾向にある。