自動車大手のダイムラーと自動車部品大手のボッシュは23日、両社が開発した完全自動の無人駐車システムが地元シュツットガルト県庁から特別認可を受けたと発表した。米自動車技術会(SAE)が定める「レベル4」の完全自動運転(運転をシステムに全面的に任せることが可能)に対応している。レベル4の駐車技術で当局の承認を得たのは世界で初めて。シュツットガルトにあるダイムラーのメルセデスベンツ博物館で近く、訪問者が利用できるようになる。
利用者は降車エリアで車から降り、スマートフォンのアプリで自動駐車を指示する。博物館から帰る際は、車両をアプリで乗車エリアまで呼び寄せる。駐車施設に設置されたセンサーが走路を監視し、車両に運転操作を指示する仕組みで、車両は駐車場のインフラから出された指示に従って指定の場所に移動・駐車する。インフラをボッシュ、車両サイドの技術をダイムラーがそれぞれ開発した。
両社は2015年に同技術の開発プロジェクトを開始し、17年にメルセデスベンツ博物館で成果を初めて披露。18年からは希望する訪問者に、専門要員が同乗して実演披露するサービスを提供してきた。今後は希望する訪問者に人手不要の完全自動駐車サービスを提供する。