ドイツが最高気温で日本超え、25日に42.6度を観測

ドイツ北部エムスラント地方のリンゲンで25日午後5時、気温が42.6度に達し、同国観測史上の最高を記録した。前日に記録した過去最高を2度以上、上回る水準で、地球温暖化に対する関心が改めて高まっている。

西欧諸国は今月下旬、猛暑に襲われ、各地で最高気温を更新。独西部のガイレンキルヒェンでは24日に40.5度を観測し、2015年7月に記録した同国の過去最高(40.3度)を0.2度、上回った。

25日はさらに暑くなり、14時20分にボンで40.6度を観測した。その数時間後にリンゲンで観測された最高気温は、埼玉県熊谷で昨年7月に観測された日本最高(41.1度)を1.5度も上回る。40度を超えた観測地点は多く、デュッセルドルフでは40.7度、フランクフルトでも40.1度を記録した。

同国北部のグローンデ原子力発電は26日、冷却水として用いるヴェーザー川の水温が26度を超えたことから運転を停止した。魚などの水中生物と生態系を保護するためだ。

水温が高くなると、水中の酸素濃度が低下する。危機的な温度とされる28度の水に溶存する酸素の量は10度の水温の3分の1に過ぎない。暑さに弱いマスやカワヒメマスでは25度を超えると生存が危うくなる。

緑の党は猛暑が近年増えていることを踏まえ、勤務体制の柔軟化を呼びかけた。気温が30度を超えた場合は業務に支障がない限り自宅勤務を認めることや、屋外労働を免除することを提唱している。

ニュース番組などでは英科学誌『ネイチャー』の最新号に掲載された地球温暖化に関する論文が大きく取り上げられている。同論文は既存のデータを駆使して過去2000年間の気候を体系的に分析したもの。それによると、産業革命以前の気候変動がすべて局地的な現象だったのに対し、現在の温暖化は全世界的に進行している。気温は世界の98%の地域で上昇しているという。

温暖化のスピードも極端に速くなっている。かつては百年間の気温の上昇幅が最大でも0.5度にとどまっていたが、現在はその3倍に上るという。

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