独電気電子工業会(ZVEI)が23日発表した独業界の5月の輸出高は前年同月比5.1%増の171億ユーロとなり、同月の最高を更新した。電機業界の輸出は拡大が続いており、ZVEIのチーフエコノミストは「全体的にみて輸出は国際的な通商摩擦と世界的な景気減速の影響をまだあまり受けていない」と述べた。1~5月の輸出高は892億ユーロで、前年同期を5.3%上回った。
5月の輸出高が最も大きく伸びたのは米国向けで、18.9%増の17億ユーロへと拡大した。日本(17.0%増の2億6,300万ユーロ)、スイス(16.0%増の5億9,300万ユーロ)、ロシア(13.9%増の3億6,100万ユーロ)も2ケタ台の伸びを記録。ポーランド(7.3%増の7億6,700万ユーロ)、ユーロ圏(7.0%増の53億ユーロ)、中国(5.6%増の18億ユーロ)向けも増加幅が平均を上回った。
一方、エルドアン大統領の強権政治で経済が低迷するトルコ向けは19.7%減の1億9,900万ユーロへと大きく後退。欧州連合(EU)離脱問題で揺れる英国向けも16.7%減の6億5,000万ユーロへと縮小し、2カ月連続で2ケタ減となった。このほか、チェコ(10.0%減の7億6,800万ユーロ)、韓国(6.8%減の2億1,400万ユーロ)向けが振るわなかった。
ZVEIは今回、世界の電機市場規模が昨年は4兆4,230億ユーロ(暫定値)となり、前年比で5%増加したことも明らかにした。今年は4%、来年は3%の伸びを見込む。けん引車となるのはアジアで、それぞれ5%、4%増加する見通し。足元の欧州は両年とも2%増を予想している。アメリカ大陸については今年が3%増、来年が2%増になるとの見方を示した。