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ドイツ経済ニュース

OneFiber:鉄道路線への光通信敷設で通信格差解消へ

ドイツ国内の全鉄道路線沿いに光ファイバー通信ケーブルを敷設することを、同国の新興企業ワンファイバー・インターコネクト・ジャーマニーが計画している。鉄道のデジタル化を推進するほか、人口希薄地域の通信環境を一気に改善することが狙いだ。政府や与党関係者は前向きな姿勢を示している。ただ、国有会社ドイツ鉄道(DB)は光通信網を自ら敷設することを検討しており、ワンファイバーの取り組みに距離を置いている。経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が関係者への取材をもとに2日、報じた。

ワンファイバーはDBの貨物部門を統括していたクラウス・クレンパー氏などが2017年に設立した企業。全長2万8,000キロを超える鉄道網に光通信網を敷設するとともに、各駅を基点に光ケーブルを張り巡らし人口希薄地域でもブロードバンド通信を利用できるようにする意向だ。駅周辺の村にはその規模に応じて次世代移動通信5G用の電波塔1~3本を設置し、固定・移動通信ともに高速通信を利用できるようにする。

鉄道網のケーブル敷設では既存のケーブルダクトを利用する考えで、敷設費用は総額18億ユーロにとどまるとしている。敷設作業は5年で終える計画。販売はエネルギー・通信事業者のEWEが引き受けるもようだ。

資金は外部から調達する。低金利を背景に、安定的な収入源となるインフラ投資のニーズが高まっていることから、すでに複数の国内銀行とファミリーオフィスが資金提供に前向きな姿勢を示しているという。

ドイツでは都市と地方の通信環境格差が大きい。通信サービス事業者は人口が多くインフラ投資を回収しやすい都市部では積極的に敷設を進めるものの、不採算の地方部では投資を見合わせているためだ。政府はこうした現状を改めるために、人口希薄地域に5G用の電波塔を設置する国営会社の設立を検討している。

ワンファイバーの計画が実現すれば、そうした措置が不要になり、国費を節約できることから、政府は支持の方向だ。内閣官房では「巨大なチャンス」と受け止められているという。与党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)のギッタ・コンネマン院内副総務は全国を網羅する光通信網を迅速かつ低コストで実現する同社の計画に「これまでのところ問題点は見当たらない」と述べ、称賛した。

DBの計画は国費頼み

一方、DBは独自の光通信網会社を近く設立する。まずは光ケーブル1万8,500キロを線路沿いに敷設。自ら利用するとともに、外部の企業に販売し、その売り上げを光通信網の拡大に投じる。ただ、同社は巨額の赤字を抱え財務にゆとりがないことから、国に35億ユーロの資金提供を求める意向だ。光通信網の完成時期については約20年後の40年を見込んでいる。

こうした事情もあり、広報担当者はHB紙の問い合わせに、ワンファイバーの計画は細部が十分に練れておらず、技術的・経済的に実現可能かどうかを検討することができないと否定的な立場を示した。

これに対しCDU/CSUのリューディガー・クルーゼ議員(交通予算担当)はワンファイバーの計画を、◇光通信網の完成時期がDBの計画よりも大幅に早い◇DBのケーブルダクトを利用することからDBに収入が入る◇DBの計画と違って国費が発生しない――と高く評価。「検討する以上の価値がある」と明言した。

DBはワンファイバーの計画受け入れを拒否できる。だが、自治体やエネルギー事業者、鉄道事業者などのインフラ保有者は、保有インフラを利用して光通信網を敷設したいとする外部企業の要望を原則的に受け入れなければならないと通信法で義務づけられていることから、拒否した場合は監督官庁の連邦ネットワーク庁が最終判断を下すことになる。

ドイツはすべての産業機器がインターネットでつながる「インダストリー4.0(I4.0)」構想を打ち出し、世界に大きな衝撃を与えた。だが、その実現の前提となる高速通信網の全国的な敷設は政府のかけ声とは裏腹に進んでいない。高い競争力を持つ中堅メーカーが地方に多数ある現実を踏まえると危機的な状況であり、同国はI4.0経済の普及では他国の後塵を拝する可能性もある。

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