独電気大手シーメンスの医療機器子会社シーメンス・ヘルシニアーズ(エアランゲン)は8日、治療ロボットの有力企業である米コリンダス・ヴァスキュラー・ロボティックスを買収することで合意したと発表した。先端医療分野の製品ポートフォリオを拡充する狙い。
コリンダスを1株当たり現金4.28ドルで買収する。買収総額は11億ドル。株主と当局の承認を経て、買収手続きが年末に完了すると見込んでいる。
コリンダスは血管造影装置と連携させて用いる血管介入治療ロボット「コーパスシステム」で有名な企業。同システムを用いると、手術の精度が上がり患者負担が最低限に抑えられるうえ、医師が血管造影テーブルのそばに立つ必要がないことから医師の被爆も抑制できる。同社は従業員数が約100人と少ないものの、世界的に高い評価を得ている。
ヘルシニアーズは血管造影システムの有力企業であることから、コリンダスを買収することで血管介入治療分野のソリューションを拡充できる。将来的には自社のデジタル・人工知能(AI)ソリューションとコリンダスのシステムを組み合わせることで、血管介入治療の精度を一段と引き上げられるようにする考えだ。