独自動車工業会(VDA)は2日、今月12日に開幕するフランクフルト国際モーターショー(IAA)の出展数が2年前の前回を20%下回る800にとどまることを明らかにした。IAAの地盤沈下が浮き彫りになった格好。一般公開(14~22日)に合わせて環境保護団体の抗議活動が予定されていることもあり、厳しい状況となりそうだ。
今回のIAAには自動車大手のルノー、プジョー、シトロエン、DS、トヨタ、日産、フィアット、アルファロメオ、シボレー、ジープ、ロールスロイス、ボルボ、アストンマーティン、起亜がスタンドを出さない。また、独メーカーBMWは出展面積を前回の3分の1に削減する。多くの企業の不参加を受けて出展面積は16%減の16万8,000平方メートルへと縮小する。
欧州ではスウェーデンの女生徒グレタ・トゥ―ンベリさん(16)が昨年夏に一人で開始した地球温暖化防止に向けた活動「フライデー・フォー・フューチャー」が大きく成長。各国の多くの都市で生徒を中心とする集会が毎週金曜日に開催されている。これを追い風に環境保護活動が活発化しており、今回のIAAに対しては抗議活動が計画されている。一般客が多数、来場する14(土)、15(日)には見本市会場の入り口でフライデー・フォー・フューチャーなどがデモと阻止活動を行う予定だ。
VDAは環境保護の活動家などとの議論の場を設け理解を求めていく姿勢を示しているが、議論は平行線をたどる可能性が高い。