ドイツ連邦統計局が6日発表した第2四半期(4~6月)の人件費は前年同期比で3.2%上昇し、8四半期来(2年来)の大きな伸びを記録した。景気は製造業を中心に低迷しているものの、人件費負担はこれまでに引き続き大きく増えている。
項目別でみると、給与支給額の負担は3.2%上昇し、上げ幅は3四半期連続で拡大。社会保険料の雇用者負担など給与以外の負担は3.3%増えて、こちらの3四半期連続で上昇率が伸びた。
一方、欧州連合(EU)統計局ユーロスタットのデータをもとに独統計局が同日発表した第1四半期(1~3月)のEUの人件費は前年同期を2.5%上回った。上げ幅が特に大きかったのはルーマニア(13.7%)、ブルガリア(12.3%)、ハンガリー(11.0%)。ポルトガルは0.4%減となり、データの出そろっている国のなかで唯一、落ち込んだ。
主要5カ国ではフランスが2.9%増と最も大きく伸びた。ドイツも2.7%増とEU平均を上回る伸びとなっている。イタリアは2.1%増、英国は1.4%増、スペインは1.1%増だった。
1時間当たりの人件費が最も高い加盟国はデンマークで、44.7ユーロに上った。これにルクセンブルク(40.3ユーロ)、ベルギー(40.0ユーロ)、スウェーデン(39.3ユーロ)が続く。ドイツは35.0ユーロで、フランス(36.5ユーロ)に次ぐ6位だった。イタリアは27.2ユーロ。英国は26.3ユーロ、スペインは21.3ユーロで、EU平均の26.6ユーロを下回った。
EUで最も低いのはブルガリアで5.3ユーロにとどまった。これにルーマニアが6.5ユーロで続く。このほか、リトアニア(9.2ユーロ)、ラトビア(9.7ユーロ)、ポーランド(9.9ユーロ)、ハンガリー(9.9ユーロ)で10ユーロを下回った。