VW:フォルクスワーゲン―東欧新工場はトルコに―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループ(ヴォルフスブルク)が建設予定の新たな東欧工場はトルコに設置されることがほぼ確実となった。アンドレアス・トストマン生産担当取締役は9月26日、「我々は現在、交渉の最終段階にある」と述べたうえで、2週間以内に成約にこぎつける見通しを明らかにした。

VW東欧工場の候補地としてはこれまで、ブルガリアも有力視されていた。だが、同国はトルコに比べて技能労働者が少ないうえ、欧州連合(EU)の補助金ルールに制約されるという事情もあることから、VWは数カ月前からトルコに傾いていた。最後はヘルベルト・ディース社長自らがトルコに飛び、エルドアン大統領と直談判。交渉のネックとなっていた税制上の問題をクリアしたという。

メディア報道によると、新工場はトルコ東部イズミル近郊のマニサに設置される。投資額は約10億ユーロ。トルコ政府は約1億ユーロの助成を提示したもようだ。

2020年末に着工し、22年から生産を開始する。生産能力は30万台、雇用規模は4,000人。VWグループの複数ブランドのモデルを手がける計画で、中型車のVW「パサート」、シュコダ「シュパーブ」を生産する。車両の80~90%を成長市場の東欧に輸出することになる。

トルコ工場が操業を開始すると、これまでパサートを生産してきた独エムデン工場は電動車工場へと転換される。シュパーブを手がけるチェコの北部のクヴァシニ工場も生産モデルをシュコダ「カロック」、セアト「アテカ」へと切り替える。

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