自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は23日、同国北部のザルツギターで車載電池セルのパイロット生産設備を稼働させた。同地で計画する量産工場設置に向けて技術的な準備を行う。同設備などで得られた知見やノウハウを原料確保から生産、リサイクルに至る全バリューチェーンで活用していく意向だ。来年にはリサイクルのパイロット設備も開設する。
今回開設したパイロット生産施設では約300人の専門要員がリチウムイオン電池の生産技術の開発とテストを行う。
ザルツギターにはスウェーデンの電池スタートアップ企業ノースボルトと共同で車載電池セルの合弁工場を設置することで合意が成立している。年産能力は16ギガワット時。来年に着工し2023年末~24年初頭に操業を開始する。中期的に約700人の雇用を見込んでいる。
VWはすでにパワーエレクトロニクス、電池システム、モーター、充電システムを開発・生産している。新たに電子セルの生産に参入することで世界を主導する電動車部品メーカーになる意向だ。