ZF―ハルデックス株の放出完了―

自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは20日、スウェーデンの商用車ブレーキメーカー、ハルデックスの全保有株およそ20%をアクセリレーテッド・ブックビルディング方式で機関投資家に売却したと発表した。ZFは商用車向けブレーキなどを手がける米蘭資本のWABCOを買収する予定のため、ハルデックス株を保有し続ける戦略的な意義がなくなっていた。

ハルデックス株およそ890万株を1株当たり50スウェーデンクローナ(約4.67ユーロ)で売却した。売却益は4億4,500万クローナ。

ZFは2016年、ルクセンブルクに本社を置く商用車部品大手のSAFホラントから敵対的な株式公開買い付け(TOB)を仕かけられたハルデックスに対し、白馬の騎士として友好的なTOBを実施した。これに対し、独ブレーキ大手のクノールブレムゼが横やりを入れたことから、ZFのTOBは失敗に終わった。また、クノールブレムゼも独禁当局の懸念や、ハルデックス経営陣の買収支持撤回などを受けて買収断念へと追い込まれた。

ハルデックスはZFの株式売却に歓迎の意を表明した。新たな戦略投資家を迎えやすい状況が生まれたためだ。ハルデックスは同社株およそ10%を保有する第2位株主のクノールブレムゼも資本撤退することを期待している。

ただ、クノールブレムゼは今後もハルデックス株を保持する方針だ。同社は20日の声明で、出資見直しの考えがないことを明らかにした。

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