Commerzbank:コメルツ銀行―ネットバンク子会社を統合―

独金融大手のコメルツ銀行(フランクフルト)は20日、新戦略「コメルツバンク5.0」の原案を明らかにした。時代の変化に合わせてモバイル事業を強化するとともに国内の支店を統廃合する。モバイル事業の強化に向けてはネットバンキング子会社コムディレクトをコメ銀本体に統合する意向だ。同原案は25~26日の監査役会で検討することになっている。

コムディレクトは1994年に設立されたネットバンキング専門の子会社。コメ銀自身もネットバンキングサービスを提供しているものの、両行の顧客層は異なるとしてこれまではコムディレクトを別組織としてきた。

だが、近年はデジタル化の進展を背景に両行の事業モデルが近接してきたことから、コムディレクトを統合することにした。スマートフォンを利用した銀行サービスのニーズが高まっていることから、特にモバイル事業を強化する意向だ。

一方、実店舗については利用者の減少が続いていることから、国内の支店数を現在の1,000カ所から800カ所へと削減する。

これらの措置に伴いフルタイム勤務の行員数を約4,300人整理する。戦略分野ではおよそ2,000人の新規雇用を創出することから、純ベースでは人員削減規模が2,300人程度となる。

組織再編とリストラには16億ユーロを計上する。そのうち7億5,000万ユーロをデジタル化、ITインフラ、事業の拡大に投資。残り8億5,000万ユーロを人員削減と支店の統廃合に充てる。

投資・リストラ資金を確保するためにネットバンキングに強いポーランド子会社mバンクを売却する。コメ銀は現在、mバンク株69%を保有している。同子会社を放出すると、コメ銀のリスク加重資産はおよそ170億ユーロ圧縮される。

コムディレクト株は上場されている。コメ銀は保有株比率が82%にとどまることから、統合の準備として株式公開買い付け(TOB)を実施し完全子会社化を目指す。

同行は新戦略を通して2023年までにコストを約6億ユーロ圧縮する。また、銀行の危機対応能力の指標である有形株主資本純利益率(RoTE)を4%以上へと引き上げる。

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