独シュツットガルト検察当局は9月24日、高級車大手ダイムラーの車両認可手続き担当部署が環境基準を満たさないディーゼル車の認可を連邦陸運局(KBA)から不当に取得していたとして、同社に対し過料8億7,000万ユーロの支払いを命じたと発表した。ダイムラーは総合的に判断して同命令の受け入れを表明したものの、同命令の根拠となったKBAのリコール(無料の回収・修理)命令については、技術に絡んだ重要な法解釈で明確な基準を得るために裁判で争う構えだ。
検察によると、同社の認可手続き担当部署は2008年以降、窒素酸化物(NOx)の排出基準を満たさないディーゼル車で当局の承認を不当に獲得していた。検察はこれを受けて、同社が監督義務を怠ったと判断。今回の命令を言い渡した。
過料8億7,000万ユーロのうち監督義務違反を理由とするものは400万ユーロ。残り8億6,600万ユーロは違法な製品の販売(68万4,000台)などでダイムラーが不当な利益を獲得したとして科した。
シュツットガルト検察はこの問題で違法な開発に関与した社員に対する捜査を、今回の命令とは別枠で進めている。
ダイムラーは同検察の過料命令をすでに引当金として計上していることから、同命令が19年7~9月期(第3四半期)決算に与える影響は軽微だとしている。