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2019/10/16

総合 - ドイツ経済ニュース

英国が独7位の貿易相手国に転落、打撃は自動車で特に大きく

この記事の要約

その後は減少が続いており、18年は15年比7.9%減の820億ユーロへと縮小した。

自動車・自動車部品の対英貿易は今年に入って一段と後退しており、1~7月の輸出高は前年同期比9.7%減の130億ユーロ、同輸入高は9.1%減の28億ユーロへと下落した。

自動車業界が最も恐れているのは、英国が新しい通商協定を締結せずにEUを離脱する「合意なき離脱」。

英国がドイツの貿易相手国ランキングで順位を下げ続けている。連邦統計局の14日付発表によると、2015年は5位に付けていたが、英国が欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を決定した16年以降、貿易高が減少。昨年まではそれでも6位を保っていたが、今年1~7月は7位へと転落した。離脱はまだ行われていないにもかかわらず、その決定は特に輸出の落ち込みという形で経済の足かせになっている。

対英輸出は10年から15年まで一貫して増加。この間に計51.6%増えて過去最高の890億ユーロに達した。その後は減少が続いており、18年は15年比7.9%減の820億ユーロへと縮小した。今年1~7月は前年同期比4.6%減の471億ユーロへと落ち込んでいる。

英国からの輸入は11年の447億ユーロが最高で、その後は16年まで減少。17年に増加へと転じ、18年も前年比0.8%増の371億ユーロへと拡大した。今年1~7月は前年同期比3.7%減の213億ユーロと再び縮小に転じている。

貿易の落ち込みが特に大きいのは自動車・自動車部品で、18年の対英輸出高は15年比22.7%減の225億ユーロへと後退。英国からの同輸入高も13.4%減の52億ユーロへと落ち込んだ。対英貿易高に占める自動車・自動車部品の割合は15年の27.6%から23.3%へと4.3ポイントも縮小した。

自動車・自動車部品の対英貿易は今年に入って一段と後退しており、1~7月の輸出高は前年同期比9.7%減の130億ユーロ、同輸入高は9.1%減の28億ユーロへと下落した。

英国のEU離脱決定は貿易以外の分野でも鮮明になっている。英自動車工業会(SMMT)によると、自動車分野の今年上半期の英国投資額は9,000万ポンドだった。15年時点では通年で25億ポンドに上っており、激減していることが分かる。ブレグジットがどのような形で行われるかが依然として不透明なことから、企業は英国投資の見合わせを余儀なくされている。

自動車業界が最も恐れているのは、英国が新しい通商協定を締結せずにEUを離脱する「合意なき離脱」。EUと英国がブレグジットの新たな延期合意を結ばなければ、今月末に起こり得るシナリオだ。

合意なき離脱が現実となった場合は、サプライチェーンが大きな打撃を被ることになる。独自動車部品大手ボッシュのシュテファン・ホフマン英法人社長は『ヴェルト』紙に、車両組み立て工場に供給される部品の数が毎日、数百万個に上るうえ、サプライチェーンが精密機械のように緊密に連動していることを指摘。「極めて高度に統合されたサプライチェーンを(合意なき離脱に伴う変動に)適合させるためには時間を要する。今日、明日というわけにはいかない。事態の正常化には数年かかるだろう」と述べた。英国がEUと異なる規格などを導入し、英国仕様の製品を特別に製造しなければならなくなる事態も警戒している。