ドイツ連邦統計局は11日、9月の消費者物価統計の詳細を発表した。それによると、インフレ率(ドイツ基準)は前年同月比が1.2%、前月比が横ばいで速報値と変わりがなかった。エネルギーは前年同月比1.1%減となり、前月の同0.6%増からマイナスへと転換。エネルギーを除いたインフレ率は1.4%だった。
エネルギーでは地域熱と天然ガスがともに4.7%、電力が3.9%上昇したものの、自動車燃料は6.7%、暖房用灯油は10.5%低下した。石油製品全体では下落幅が7.4%に上った。
食料品の上げ幅は1.3%で、前月の同2.7%から大幅に低下した。野菜が12.8%から1.2%へと大幅に縮小。果物は0.9%減となり、これまでに引き続き下落した。食用油脂は13.4%落ち込んだ。食肉・肉製品は4.6%高くなった。
エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は1.5%だった。
上昇率は雑誌(5.1%増)、たばこ(4.3%増)、乗用車(2.4%増)で大きかった。電気製品はこれまでに引き続き大きく低下しており、下落幅は情報機器で8.9%、電話器で5.8%に上った。
消費者物価に占める比重が53%に上るサービスは1.8%増となり、上げ幅は前月の同1.6%から拡大した。自動車整備・修理が5.0%、航空券が4.3%、美容・理容が3.2%、飲食が2.7%上昇している。通信は0.5%下落した。
前月比ではエネルギーが0.1%増となり、これまでの下落に歯止めがかかった。自動車燃料は0.8%低下したものの、灯油が3.6%上昇。電力と天然ガスも0.1%高くなった。
上昇率が特に大きかったのは衣料品で、7.2%に達した。冬秋物の販売が本格化したことが反映された格好で、靴も同2.7%に上った。夏季旅行シーズンの終了を受けてパック旅行は10.3%、航空券は2.2%落ち込んだ。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が0.9%、前月比がマイナス0.1%で、こちらも速報値と変わりがなかった。