独電気電子工業会(ZVEI)は10日、独業界の今年の生産見通しを引き下げた。世界経済の低迷を背景に新規受注が落ち込んでいるためで、生産高の実質成長率(物価調整値)を年初予測の1%からマイナス4%へと大幅に引き下げた。
1~8月の生産高は前年同期を実質4.0%割り込んだ。8月は前年同月比の減少幅が8.2%に達している。
9月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合は17%にとどまった。「縮小」は同26%で、拡大から縮小を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)はマイナス9ポイントとなった。
8月の新規受注高は前年同月比で6.7%減少した。国内受注が9.6%後退。ユーロ圏(ドイツを除く)とユーロ圏外もそれぞれ4.0%、4.8%落ち込んだ。
1~8月の新規受注高は前年同期比1.6%減。内訳は国内が1.1%減、ユーロ圏が3.8%減、ユーロ圏外が1.1%減だった。
8月の業界売上高は154億ユーロで、前年同月を3.9%下回った。国内が5.5%、ユーロ圏が4.8%、ユーロ圏外が1.5%の幅で縮小した。
1~8月の売上高も前年同期比0.8%減の1,256億ユーロに落ち込んだ。国内が1.1%、ユーロ圏外が1.2%減少。ユーロ圏は0.8%増とわずかに拡大した。
9月の業界景況感指数(現状判断指数と期待指数の中央値)は前月のマイナス8ポイントからマイナス17ポイントへと大幅に下落し、5カ月連続で悪化した。同指数がマイナスとなるのは3カ月連続。今後6カ月の見通しを示す期待指数が大幅に低下し、現状判断指数も前月を下回った。期待指数(今後6カ月の見通しが「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数)はマイナス34ポイントで、マイナス幅は前月の18ポイントから急拡大している。期待指数はこれで7カ月連続のマイナスとなった。
今後3カ月の輸出見通しを示す指数もマイナス幅が前月の2ポイントから12ポイントへと拡大した。