極右の反ユダヤテロで2人死亡、シナゴーグ爆破を計画

独東部の都市ハレで9日、極右思想の持主がユダヤ教会(シナゴーグ)への侵入を試みるとともに、通行人など2人を射殺する事件が起きた。同日はユダヤ教の祭日(贖罪の日)で、教会内には信者50人が集まっていた。ユダヤ人の大量殺害を目的としており、犯人の車からは爆薬4キロが見つかった。

犯人は27歳のドイツ人。9日昼に武装してシナゴーグへの侵入を試みたものの、ドアをこじ開けることができなかったことから、たまたま近くを通りかかった女性を射殺。その後、近くの軽食店にいた男性も射殺した。逃走したものの、逮捕された。単独犯とみられる。

犯人は犯行の模様をヘルメットに取り付けたビデオで撮影し、動画投稿サービスでネット配信した。英語で記された声明では、ホロコースト(ナチスによるユダヤ人大虐殺)を否認したうえで、ユダヤ人を悪の根源と決めつけており、反ユダヤ思想の持ち主であることが分かる。

メルケル首相は同日、ベルリンのシナゴーグで急きょ、開催された連帯集会に参加。政府はすべてのユダヤ人に対する連帯を表明した。

欧州では近年、中東・北アフリカ系移民による反ユダヤ主義が大きな政治・社会問題となっているものの、ユダヤ人排斥思想は極右の間でも根強い。

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