ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は10月30日発表した企業景気アンケート調査レポートのなかで、2019年の国内総生産(GDP)予測を従来予測(初夏)の実質0.6%から同0.4へと引き下げた。昨年秋の時点では1.7%を予想。今年初にこれを0.9%へと下方修正しており、引き下げは今回で3回目となる。アンケートへの企業の回答は金融・経済危機が世界を襲った2008~09年以来の悲観的な内容となっており、エリック・シュヴァイツァー会長は「憂慮すべき状況だ」と危機感を表明した。
DIHKは毎年3回(年初、初夏、秋)、会員企業を対象に大規模な景気アンケート調査を行っており、今回の秋季調査では約2万8,000社から回答を得た。業種別の内訳は製造が27%、建設が7%、流通が22%、サービスが44%となっている。
それによると、事業の現状を「良い」とする回答の割合は前回調査(年初)の45%から41%へと減少。「悪い」が9%から11%に増えたことから、「良い」と「悪い」の差(DI)は前回の36ポイントから30ポイントへと縮小した。DIは建設業を除いてすべて悪化。特に製造業では34から16へと大幅に低下した。
今後1年間の事業見通しを「良い」とする回答は5ポイント減の16%、「悪い」は7ポイント増の23%で、DIは5ポイントからマイナス7ポイントへと12ポイント悪化した。DIは4業種すべてでマイナスへと転落。製造業ではマイナス幅が15ポイントに達した。
メーカーを対象に今後1年間の輸出見通しを尋ねた質問では輸出が「増える」との回答が前回を5ポイント下回る19%へと減少。「減る」が9ポイント増の31%へと拡大したことから、DIは前回の2ポイントからマイナス12ポイントへと大幅に悪化した。マイナス幅は中間財業界で17ポイント、投資財業界で13ポイントに達した。消費財業界は前回から10ポイント低下したもののプラス5ポイントとなり、マイナス転落が回避された。
メーカーを対象に事業のリスク要因を尋ねた質問では「外需(の減少)」との回答が43%から50%へと7ポイント増加した。直近の底である18年年初(27%)に比べると23ポイント拡大している。「内需(の減少)」との回答も前回の42%から46%へと増え、直近の底である18年初頭(33%)から13ポイント膨らんだ。「経済政策的な枠組み条件」も40%から45%へと増加した。政府が温暖化対策の強化方針を打ち出したことが反映されたもようだ。「専門人材不足」は59%から56%へと減少したものの、水準自体は依然として高い。