BMW―長城汽車と合弁設立、電動車生産へ―

自動車大手の独BMWと中国の長城汽車は11月29日、上海の北西およそ130キロの張家港で合弁会社「スポットライト・オートモティブ」の設立式を行った。折半出資で同市に工場を建設。電動車を生産する。

来年に着工し、2022年に完成させる。投資額は両社合わせて約6億5,000万ユーロに上る。同工場ではBMWの小型車ブランド「ミニ」の電気自動車(EV)と長城汽車の電動車を生産する。年産能力は16万台。新規雇用およそ3,000人を予定している。

BMWは同合弁で生産した車両を中国で販売するほか、国外に輸出する意向だ。ニコラス・ペーター取締役(財務担当)は「この合弁により、ミニの電気自動車を魅力的な条件で世界市場向けに生産できるようになる」と述べた。ミニはこれまで欧州で生産しており、欧州域外での製造は中国が初めてとなる。

BMWと長城汽車は同合弁で新モデルの共同開発も行う。ただ、販売についてはそれぞれが独自に展開。共同の販売組織は設立しない。

BMWはこれまで、中国市場向けの車両を現地提携先の華晨汽車と共同で生産してきた。新たに長城汽車と合弁生産に踏み切る背景には、同国販売台数を伸ばしたいという意向のほか、中国で生産・販売する車両の一定比率以上をEVなど新エネルギー車(NEV)とすることをメーカーに義務づけるルールが2019年から導入されたことがある。BMWはBMWブランド車だけでなく、ミニのEVモデルも中国で生産し、同販売比率規制に対応する考えだ。