エーオン―英国事業を再編、大量の人員削減か―

エネルギー大手の独エーオン(エッセン)は11月29日、英国事業の再編方針を発表した。独競合RWEとの事業交換に伴い経営不振の英エネルギー販売会社Nパワーを取得したことから、組織の見直しを通して安定的に利益を稼げるようにする意向だ。英労組ユニゾンはNパワーの社員5,800人のうち4,500人が失職する恐れがあると警戒している。

エーオンは2018年3月、RWEとの事業交換で合意した。RWEの子会社イノジーを買収したうえで、イノジーの再生可能エネルギーやガス貯蔵事業をRWEに売り戻すことが柱で、実質的にはイノジーの送配電、電力小売事業を取得。これを受けてNパワーを今年9月18日付で傘下に収めた。

英国のエネルギー市場は環境が厳しく、エーオンはイノジー買収前から同国事業のリストラを行ってきた。そうした状況のなかで経営難のNパワーを取得したことから、さらに踏み込んだ措置が避けられない状況で、エーオンの経営陣は今回、◇Nパワーの個人顧客・小企業向けサービスプラットホームを廃止してエーオン英法人エーオンUKのプラットホームに統合する◇Nパワーに残る大口顧客向け事業を今後2年間でリストラする――方針を打ち出した。エーオンUKとNパワーのリストラを通して、英国事業全体の営業利益(EBIT)で22年以降、1億ポンド以上を確保できるようにする目標だ。

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