鉱工業生産の下げ幅1.7%に拡大、製造が足かせに

ドイツ連邦統計局のデータをもとに経済省が6日発表した10月の鉱工業生産指数(暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比1.7%減となり、下げ幅は前月の0.6%から拡大した。減少は2カ月連続。主力の製造業が1.7%減と振るわず大きな足かせとなった。建設業は2.8%減、エネルギー業は2.3%増だった。

製造業では投資財が4.4%減と大きく落ち込んだ。同財の後退は2カ月連続。中間財は1.0%増、消費財は0.3%増となり、それぞれ2カ月ぶり、3カ月ぶりに拡大した。

特殊要因による統計上のブレが小さい2カ月単位の比較でみると、9~10月の鉱工業生産は前期の7~8月を1.1%割り込んだ。建設とエネルギーは各0.7%、1.2%増加したものの、製造が1.7%減少。自動車と機械では減少幅がそれぞれ2.9%、2.2%に上った。

経済省は製造業の景気低迷が続いているとしながらも、メーカーの先行き見通しを示す期待指数が2カ月連続で改善したことなどを指摘。同業界の景気は今後、安定してくる可能性があるとの見方を示した。

一方、専門家の間では先行き懸念が強まっている。独州立銀行LBBWのエコノミストはロイター通信に、「従来の景気データは全体的にみて安定化の方向を示していたが、今回再び、真にショッキングな数値が回帰してきた」と指摘。VPバンクのエコノミストは「景気後退局面入りの可能性はなくなっていない」との見方を示した。同通信がエコノミストを対象に実施した事前アンケート調査では10月の鉱工業生産指数の予想平均が0.1%増となっていた。

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