ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した11月の乗用車新車登録台数は前年同月比9.7%増の29万9,127台となり、3カ月連続で大きく拡大した。比較対象の2018年11月は欧州連合(EU)の排ガス検査方式変更を受けて9.9%落ち込んでおり、その反動が出た格好。1~11月の累計は前年同期を3.9%上回る332万3,878台だった。
EUでは排ガス検査方式が昨年9月に厳格化された。これを受けて8月までは駆け込み登録が殺到。9月以降は前年同月を下回る月が続いた。
11月の新車登録を動力源別でみると、ハイブリッド車(HV)は前年同月比122.2%増の2万5,941台で、シェアは昨年11月の4.3%から8.7%へと伸びた。プラグインハイブリッド車(PHV)は216.1%増の6,334台と特に大きく拡大。シェアは0.7%から3倍の2.1%へと上昇した。
電気自動車(EV)は9.1%増の4,,651台となり、これまでに比べ伸び率が鈍化。シェアは1.6%で前年同月の1.3%を0.3ポイント上回った。
ガソリン車は5.9%増と伸び率が新車登録全体(9.7%)を下回ったことから、シェアは前年同月の59.9%から57.9%へと縮小。ディーゼル車は1.9%増で、シェアは34.0%から31.6%へと低下した。シェアは0.3と小さいものの、天然ガス車は266.8%増と急拡大した。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均155.5グラムで、前月(155.4グラム)を0.1%上回った。昨年9月にEUの排ガス検査方式が変更されたことを受けて、KBAは今年、CO2排出量の前年同月比については公表しないことにしている。
販売台数が最も多かった部門は前月に引き続きSUV(前年同月比28.6%増)で、シェア22.1%を記録。2位はコンパクトカー(同1.9%減)で20.2%だった。伸び率はオフロード車が最も大きく39.5%に達した。
社用・公用車の新車登録は14.6%増と伸び率が大きく、シェアは68.8%に上った。マイカーは0.2%増で、シェアは31.1%にとどまった。
増加率が最も大きかったブランドは前月に引き続きポルシェで、前年同月比158.7%増の2,866台を記録。テスラも129.5%増の280台と3ケタ台の伸びとなった。3位はスマートで、59.5%増の5,939台だった。
ポルシェとスマート以外のドイツ車ではアウディ(41.0%増の1万8,576台)とVW(27.2%増の6万2,642台)が2ケタ増を記録。メルセデス(7.5%増の3万2,690台)、フォード(1.9%増の2万3,366台)、BMW(1.6%増の2万4,874台)も前年同月を上回った。オペルは17.3%減の1万5,665台、ミニは18.9%減の3,954台と振るわなかった。
日本車はマツダが好調で26.7%増の6,601台を記録。三菱(5.9%増の3,988台)、レクサス(4.8%増の308台)、日産(1.2%増の2,692台)も増加した。トヨタ(1.3%減の6,384台)、スバル(13.5%減の418台)、ホンダ(20.1%減の919台)、スズキ(35.9%減の2,089台)は落ち込んだ。
日本車以外の主な輸入ブランドでは、アルファロメオ(40.2%増の415台)、DS(36.3%増の233台)、双竜(32.7%増の223台)、プジョー(27.4%増の6,251台)、ダチア(19.0%増の5,343台)、セアト(14.5%増の1万1,852台)、ルノー(12.9%増の1万663台)、ジャガー(10.4%増の741台)が2ケタ増を記録。ボルボ(3.8%増の4,977台)、フィアット(3.7%増の5,309台)、現代(0.9%増の9,666台)、起亜(0.4%増の5,207台)も増加した。シトロエン(2.1%減の3,490台)、シュコダ(3.2%減の1万6,602台)、ランドローバー(10.9%減の1,267台)、ジープ(13.2%減の1,285台)は減少した。
一方、独自動車工業会(VDA)が3日発表した11月の国内乗用車生産台数は42万3,400台で、前年同月を8%下回った。同輸出台数は10%減って30万9,800台となった。1~11月の累計は生産台数が前年同期比9%減の439万800台、輸出台数が13%減の327万2,000台だった。