BASF―農業技術のスタートアップに出資―

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は12日、農業技術(アグテック)のスタートアップ企業であるイスラエルのエクイノム(Equinom)が実施する資金調達にリード投資家として応じると発表した。農業分野で革新的なソリューションを投入するという戦略に基づく措置で、ベンチャー投資部門BASFベンチャー・キャピタルを通して資本参加する。出資額と出資比率は明らかにしていない。

エクイノムは2012年の設立。独自開発のアルゴリズムと膨大なデータベースを用いて、オーダーメイドの農作物を効率的に育種する技術を持つ。例えばタンパク質や油成分の多い品種や収穫量の多い品種、害虫への耐性が高い品種など希望する特性を持つ作物を開発することができる。データベースに記録された数千種類の植物の遺伝子特性をアルゴリズムで分析することで、迅速な開発を実現する。

欧米では肉食を避ける消費者の増加を背景に大豆などを原料とする代替肉の需要が高まっていることから、タンパク質含有量の多い豆の新品種を開発すれば、市場を掘り起こせる可能性が高い。BASFベンチャー・キャピタルのマルクス・ゾリビーダ社長は「エクイノムの技術は植物性タンパク質のバリューチェンにとって画期的だ。代替肉のトレンドを支えるものだ」と述べ、期待感を示した。

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