ドイツ連邦統計局が17日発表した第3四半期(7~9月)の国内発電量は前年同期比12.8%減の120.1テラワット時(TWh)へと縮小した。二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭発電が37.0%減と大幅に後退したことから全体が大きく落ち込んだ。天然ガスと再生可能エネルギー発電は大きく増加した。
天然ガス発電は31.0%増の15.6TWhと急拡大した。燃料価格の低下のほか、電力の需給調整に多く投入されたことが反映された格好。天然ガス発電は発電開始に必要な時間が短いことから、再生エネの普及で不安定化する需給バランスの調整に投入しやすい。
在来型発電は原子力も8.7%減少したことから、全体では20.9%後退した。
再生エネは8.8%増加した。風力発電が18.6%増えたことが大きい。太陽光発電は1.2%縮小した。
発電量に占める各電源のシェアをみると、石炭は28.4%となりこれまでに引き続き最大だったものの、前年同期(39.4%)からは11ポイントも低下した。2位は風力で17.8%。3位以下は原子力(13.9%)、天然ガス(13.0%)、太陽光(12.4%)、バイオマス(5.8%)の順で続いた。在来型発電全体では57.6%に上り、再生エネの同42.4%を上回った。ただ、前年同期(63.5%)からは5.9ポイント低下している。