ドイツの建設業界団体HDBとZDBは18日の共同記者会見で、2020年の業界売上高が前年比5.5%増の1,450億ユーロに拡大するとの予測を発表した。受注が好調なためで、売上高は10年連続で拡大することになる。19年の売上高は1,372億ユーロ(見通し)で、前年を8.5%上回る。
業界の受注残高(従業員数20人以上の企業が対象)をみると、15年までは緩やかな伸びにとどまっていたが、16年に23.5%増の368億ユーロへと大きく拡大。その後も急速な伸びが続いており、19年は前年を12.8%上回る537億ユーロに達した。
けん引車は住宅部門で、売上高は19年に8.5%増の510億ユーロ弱、20年に7.0%増の約542億ユーロに拡大する見通し。雇用の安定と所得の拡大、歴史的な低金利、大都市の人口拡大が今後も需要を押し上げる。
商工業施設部門の20年売上高は5.5%増の約513億ユーロに拡大する。工場建設の新規受注はこのところ減少しているものの、オフィス、商業施設、倉庫の建設許可が増加しているほか、ドイツ鉄道(DB)が巨額インフラ投資を行うことからこれまでに引き続き増加が見込まれる。
公共建設部門の売上高も4.0%増の395億ユーロに拡大する。国の交通インフラ投資拡大がこれまでに引き続き最大のプラス要因となる。