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2020/1/22

総合 - ドイツ経済ニュース

発電事業者に国が44億ユーロ、石炭発電廃止の補償で

この記事の要約

世界で初めて原子力と石炭発電をともに廃止する国となる。

石炭発電と、石炭の一種である褐炭の採掘を廃止すると、これらの事業を運営する企業は経済的な損失を受け、被用者にも大きなしわ寄せが出ることから、独政府は今回、国(連邦)が補償金を支払うことで合意した。

同発電所に対しては、温暖化防止が緊急の課題となっているなかで二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭を利用した発電所の新規操業を認めることは誤ったシグナルを送ることになるとの批判が環境保護団体などから出ているが、政府はエネルギー効率が高いダッテルン第4発電所を稼働させ、同効率の低い旧式石炭発電所を早期に廃止した方が良いと判断した。

ドイツ政府は16日、石炭発電事業者に総額43億5,000万ユーロを支給することで、同発電が盛んな国内4州の政府と合意した。石炭発電を2038年までに全廃する政策方針を受けてこれらの企業が被る損失...