ドイツ連邦統計局が20日発表した2019年の生産者物価指数は前年比1.1%増となり、上げ幅は前年の2.6%から大幅に縮小した。世界的な景気の低迷を背景にエネルギーの上昇率が5.5%から2.1%に低下したことが最大の押し下げ要因。エネルギーを除いたベースでも伸び率は1.8%から0.8%へと落ち込んだ。
エネルギーでは石油製品が前年を2.4%割り込んだ。下落幅は液化石油ガスで20.9%と特に大きかった。暖房用灯油は同2.6%、軽油は1.5%だった。
天然ガスも0.1%下落した。発電所向けが10.3%、産業向けが7.5%低下。再販事業者向けは0.2%上昇した。
電力は7.0%増と上げ幅が大きかった。電力公社などの配電事業者向けが16.1%、一般世帯向けが3.1%、特別契約顧客向けが3.0%の幅で上昇した。
中間財は0.3%減となり、前年の2.7%増から下落へと転じた。二次原料が13.1%低下。金属も前年を1.9%下回った。
投資財は1.5%、耐久消費財は1.4%の幅で上昇した。
非耐久消費財は1.7%増となり、上げ幅は前年の0.6%を大きく上回った。食料品の上昇率が0.2%から2.1%へと拡大したことが反映された格好。豚肉と加工済みじゃがいもでは上げ幅がそれぞれ17.3%、11.3%に上った。バターは21.5%、砂糖は10.6%低下した。
19年12月の生産者物価指数は前年同月比0.2%減となり、下げ幅は前月(0.7%)から緩和された。エネルギーの下落率が前月の3.4%から2.4%に縮小したことなどが反映された格好。エネルギーを除いたベースでは前年同月を0.4%上回った。
同月の生産者物価指数は前月比では0.1%増となり、3カ月ぶりに上昇した。エネルギーは0.4%減で、エネルギーを除いたベースでは前月を0.2%上回った。エネルギー以外をみると、中間財は0.1%、非耐久消費財は0.9%上昇。投資財と耐久消費財は横ばいだった。