スタートアップへの投資額3年連続で記録更新

ドイツのスタートアップ企業が2019年に投資家から調達した資金の総額は前年比36%増の62億2,800万ユーロと大幅に拡大し、3年連続で過去最高を更新したことが、コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング(EY)の調べで分かった。ソフトウエア、フィンテック、モビリティ分野で調達額が大きく伸びた。調達件数は13%増の704件だった。

資金調達件数が最も多かった州はベルリンで、全体の37%に上る262件に達した。これにバイエルン(129件)、ノルトライン・ヴェストファーレン(87件)、ハンブルク(54件)が続く。

資金調達額もベルリンがトップで、前年比41%増の36億9,100万ユーロに上った。ドイツ全体の59%を占める。2位バイエルンは93%増の15億4,900万ユーロと大幅に伸び、3位のハンブルク(2億6,800万ユーロを大きく引き離した。長距離バスや鉄道などの移動サービスを手がけるフリックスモビリティが5億ユーロを調達したことから、同州の水準が強く押し上げられた。

分野別ではモビリティが前年の4億700万ユーロから約4倍の16億500万ユーロへと急拡大し、1位に浮上した。フリックスモビリティや観光客向けのアクティビティや博物館予約の仲介プラットホームを運営するゲットユアガイド(調達額4億2,800万ユーロ)などの大型案件で水準が強く押し上げられた格好だ。

2位はフィンテック/インシュアテック(95%増の13億1,600万ユーロ)、3位はソフト/アナリティクス(82%増の12億2,100万ユーロ)だった。これまでトップに君臨してきた電子商取引は56%減の7億3,000万ユーロと大きく落ち込み4位に後退した。

調達額1位はフリックスモビリティ、2位はゲットユアガイドで、3位は中古車仲介プラットホームのフロンティア・カー・グループ(3億6,100万ユーロ)、4位はモバイル銀行のN26(2億6,600万ユーロ)、5位はプロセスマイニングのセロニス(2億6,100万ユーロ)だった。

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