独電気電子工業会(ZVEI)がこのほど発表した独業界の11月の新規受注高は前年同月比11.9%減となり減少幅は前月の同5.3%から拡大した。国内受注が15.3%減少。ユーロ圏(ドイツを除く)とユーロ圏外もそれぞれ6.1%、10.8%落ち込んだ。
1~11月の累計は前年同期を3.4%割り込んだ。国内が4.4%、ユーロ圏が4.3%、ユーロ圏外が1.9%の幅で縮小した。
11月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月を8.8%下回った。需要の減少が反映された格好。1~11月の累計も前年同期比で4.2%後退した。
12月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合は前月の11.3%から14.4%へ拡大した。「縮小」は同21.7%から22.0%へとやや増えたものの、拡大から縮小を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)はマイナス10.7ポイントからマイナス7.9ポイントへと上昇。前月に引き続き改善した。
同DIを部門別でみると、マイナス幅は電気駆動装置(-37.6ポイント)、ケーブル(-33.9ポイント)、エネルギー機器(-24.6ポイント)、スイッチ・開閉装置・産業用制御機器(-19.2ポイント)で特に大きかった。鉄道車両(+100.0ポイント)、計測機器・プロセスオートメーション(+32.2ポイント)、医療機器(+27.9ポイント)は極めて良好だった。
11月の業界売上高は165億ユーロで、前年同月を4.6%下回った。ユーロ圏が8.4%、国内が5.5%それぞれ減少して足を強く引っ張った格好。ユーロ圏外も1.0%落ち込んだ。
1~11月の売上高は1,752億ユーロで、前年同期を1.4%割り込んだ。国内が2.1%、ユーロ圏が0.7%、ユーロ圏外が0.8%の幅で減少した。
12月の業界景況感指数(現状判断指数と期待指数の中央値)は前月のマイナス5.5からマイナス1.9へと上昇し、これまでに引き続き改善した(同指数がマイナスとなるのは6カ月連続)。期待指数(今後6カ月の見通しが「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数)がマイナス7.4ポイントからマイナス1.9ポイントへと大幅に改善したことが大きい。現状判断指数(現状を「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数)もマイナス2.5ポイントからマイナス1.9ポイントへとやや上昇した。
景況感指数が特に振るわなかった部門は電気駆動装置(-28.7)、娯楽家電(-25.1)、照明(-21.0)で、電気駆動装置は期待指数と現状判断指数のマイナス幅がともに大きかった。娯楽家電と照明は現状判断が足を強く引っ張った。情報機器(+30.5)と計測機器・プロセスオートメーション(+26.3)、医療機器(+16.7)の景況感指数は良好だった。