化学大手の独ランクセス(ケルン)は3日、同社の消毒薬「リレイオン・ビルコン」の引き合いがアジアと欧州で増えていることを明らかにした。中国を中心に流行する新型コロナウイルス(2019-nCoV)に効果があるためだ。同ウイルスに対するワクチンが存在しない現時点で流行の拡大を食い止めるためには消毒が大きな役割を果たすことから、同社は生産と流行地域向けの輸送を強化するとしている。
2019-nCoVの近縁の代替ウイルスを対象に行われた第三者よるテストで、リレイオン・ビルコンの有効性が確認された。百分の一に希釈した同剤を代替ウイルスに用いたところ、10分で100%死滅することが確認された。ランクセスは代替ウイルスと同じ効果を2019-nCoVでも発揮するとしている。
リレイオン・ビルコンは希釈した液体を霧状にして散布する。駅や空港、ショッピングセンターで用いればドアやテーブルを触れることでウイルスが手に付着するリスクを低減できる。