アリアンツ―日本生保事業の過半数株売却―

保険大手の独アリアンツ(ミュンヘン)は4日、日本の生保子会社アリアンツ生命保険の過半数株をイオンフィナンシャルサービス(AFS)に売却することで合意したと発表した。自力では業績拡大を見込めないことから、経営権をAFSに譲渡する。アリアンツは事業の整理を進めており、韓国と台湾の生保事業からは撤退済みだ。

AFSはアリアンツ生保の第三者割当増資を引き受け、株式60%を取得する。1株当たりの取得額は10万円で、総額はアドバイザリー費用なども含めて36億円となる見通し。監督官庁の認可などを経て買収手続きが3月末に完了すると見込んでいる。

アリアンツ生保は2006年の設立。低金利で業績が振るわないことから、新規契約の取り扱いを12年1月から休止している。AFSとの取引が完了すると、アリアンツの出資比率は40%に低下。保険会社を対象とする欧州の資本規制「ソルベンシー2」に伴う財務負担が軽減される。

アリアンツは日本で損保子会社アリアンツ火災海上保険も展開しており、日本市場から撤退する計画はない。

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