電気通信の独新興企業ワンファイバー・インターコネクト・ジャーマニー(ザンクト・ヴェンデル)は14日、独投資会社アトンの子会社アトン・デジタル・サービシズが同社資本の3分の1を取得したと発表した。ワンファイバーが投資家を獲得したのは初めて。同社は資金面でアトンの支援を受けて高速の光通信ケーブル網をドイツ全土に速やかに敷設する計画だ。出資額は明らかにしていない。
ワンファイバーはドイツ鉄道(DB)の貨物部門を統括していたクラウス・クレンパー氏などが2017年に設立した企業。全長2万8,000キロを超える鉄道網に光通信網を敷設するとともに、各駅を基点に光ケーブルを張り巡らし人口希薄地域でもブロードバンド通信を利用できるようにする意向だ。駅周辺の村にはその規模に応じて次世代移動通信5G用の電波塔1~3本を設置し、固定・移動通信ともに高速通信を利用できるようにする。
鉄道網のケーブル敷設では既存のケーブルダクトを利用する。敷設費用は総額18億ユーロにとどまる見通しで、全額を民間資金で賄う。敷設作業は5年の予定。販売と運営、サービスは独エネルギー大手EWEの通信サービス子会社EWE
TELが引き受ける方向だ。