フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディ(インゴルシュタット)が電気自動車(EV)「eトロン」の生産を停止したことが分かった。ベルギーの経済紙『レコー』が報じ、同社が追認したもので、部品の供給が不足して組立作業を行えなくなった。広報担当者は、約300社に上るサプライヤーのコーディネートに問題があると述べるとともに、新型肺炎の流行とは関係がないことを明らかにした。26日の操業再開を予定している。
eトロンはEV専門メーカーである米テスラに対抗するモデルとしてアウディが初めて投入したEV。ベルギーのブリュッセルで生産しており、欧州では昨年3月、米国では夏、中国では秋に引き渡しを開始した。昨年の販売台数は2万6,000台。
同社はどの部品の供給に問題があるかについては明らかにしていない。ロイター通信によると、自動車業界では電池の中核部品であるセルの安定供給が難しく、大きな課題になっているという。アウディはセルを韓国のLG化学とサムスンSDIから調達している。