化学大手のコベストロ(レバークーゼン)は21日、エルベ川河口の独ブルンスビュッテル工業団地でメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)工場の操業を開始した。同社は市場環境の悪化を受けて先ごろ、米テキサス州ベイタウンでのMDI工場建設を18~24カ月間、休止することを明らかにしたが、ブルンスビュッテルの新生産施設は稼働させた。
新工場の開設により、同工場団地でのコベストロのMDI生産能力は年40万トンへと倍増した。これによりMDIの安定供給に寄与するとしている。投資額については1億ユーロのケタ台に上ったことを明らかにしたものの、具体額は伏せている。
MDIは塗料や接着剤、スポンジ、断熱材、ストレッチ繊維、靴底、自動車部品など幅広い分野に投入されるポリウレタンの原料。建物や冷蔵庫の断熱材に高性能のMDIが投入されることで、世界の温室効果ガス排出量が削減される効果が期待されている。