テスラの森林伐採に問題なし、環境団体の訴えを裁判所が棄却

米電気自動車(EV)大手テスラがベルリン近郊のグリュンハイデで工場建設向けて開始した森林伐採の仮差し止めを求めて環境保護団体が提訴していた係争で、ベルリン・ブランデンブルク高等裁判所は20日、訴えを退ける決定を下した。抗告を認めていないことから、テスラは伐採作業を再開できる。2月中に作業を終える計画だ。

テスラは昨年11月、グリュンハイデに工場を建設する計画を発表した。EVと電動パワートレイン、電池を生産する計画。建設に向けて森林92ヘクタールの伐採許可を取る必要があり、現在、環境影響評価手続きが行われている。

同手続きは完了していないものの、地元ブランデンブルク州環境庁は13日、森林伐採の開始を許可。同社は直ちに伐採に乗り出した。環境影響評価手続きで工場建設が認められなかった場合は、元の状態に戻さなければならない。

環境保護団体は環境影響評価調査の終了前に伐採を開始したことを問題視し、裁判所に仮差し止めを申請していた。

ベルリン・ブランデンブルク高裁は決定理由で、州環境庁は環境影響評価手続きで工場建設が許可されるという客観的な見通しに基づいて伐採を前倒しで許可したと指摘。同庁の決定に法的な問題はないとの判断を示した。

テスラは伐採する森林よりも広い面積で植林を行う意向を示している。

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