ドイツ機械工業連盟(VDMA)が20日発表した同国の2019年の機械輸出高は1,798億ユーロとなり前年比で横ばいを保ったものの、物価を加味した実質では1.5%落ち込んだ。米中の通商摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱、自動車業界の構造転換を受けて投資抑制の動きが広まったことが響いた格好だ。新規受注の低迷が続いていることから、輸出高は今年も減少する見通し。
最大の仕向け先国は米国で、輸出高は名目4.3%増の201億ユーロに拡大した。上半期が7.8%増と好調だった。下半期は中国との通商摩擦が響いて伸び率が約1%へと大幅に縮小した。
2番目に大きな仕向け先である中国は1.1%減の188億ユーロへと落ち込んだ。3位フランスはマクロン大統領の構造改革が奏功し、5.3%増の124億ユーロと好調だった。日本向けもEUとの経済連携協定(EPA)が追い風となり6.4%増の291億ユーロへと拡大した。英国向けは5.8%減の740億ユーロと振るわなかった。
部門別ではプラント・エンジニアリング機器が7.0%増、空調設備機器技術が6.0%増、物流・ロジスティックス技術が5.3%増、バルブ機械が4.5%増と大きく拡大。工作機械は8.2%減、建設機械・建築資材製造機械は2.6%減、駆動技術は0.6%減と振るわなかった。
19年の機械輸入高は759億ユーロで、前年を名目で0.8%、実質で2.3%下回った。