自動車世界最大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)が2月28日発表した2019年12月期決算の営業利益は前期比21.8%増の169億6,000万ユーロと大幅に拡大した。利幅の大きいSUVの販売増やVWブランド乗用車のコスト削減、ディーゼル車排ガス不正に関連したコストの低下がプラスに働いた格好だ。排ガス不正に伴うコストは26.6%減って23億3,600万ユーロとなった。
売上高は2,526億3,200万ユーロで、7.1%増加した。販売台数は1.3%増にとどまったものの、SUVの比率が高まったことから増収幅が大きくなった。売上高営業利益率は前期の5.9%から6.7%へと上昇した。
株主帰属の純利益は12.8%増の133億4,600万ユーロだった。中国合弁で同社が獲得した営業利益44億ユーロで、前期(46億ユーロ)を下回った。中国合弁の利益はVWの営業利益に含まれず、金利収入として税引き前利益に計上される。
20年12月期は厳しい市場環境を受けて販売台数が横ばいにとどまるものの、売上高は最大4%増加すると予想。売上高営業利益率については6.5~7.5%を見込んでいる。