樹脂加工業界の売上減少、景気低迷響く

独樹脂加工産業全国連盟(GKV)が2月26日発表した2019年の独業界売上高は前年比1.2%減の651億ユーロへと落ち込んだ。主要な顧客産業である自動車や機械の景気低迷を受けて自動車・機械・電気製品用部品(テクニカルパーツ)が4.8%減の193億ユーロと大きく後退。消費財向け(1.7%減の104億ユーロ)と包装材(0.3%減の148億ユーロ)も振るわなかった。建材は建設需要の拡大を受けて2.0%増の206億ユーロへと拡大した。生産高は1.2%減の1,460万トンだった。

売上高は国内が1.7%減の402億ユーロと減少幅が大きかった。国外は0.8%減の249億ユーロだった。

19年は売上増の企業の割合が36%となり、前年の60%から大幅に減少。売上減は19%から2倍強の43%へと拡大した。利益も増加の企業が36%から28%に減少し、減少が24%から39%へと増えている。輸出は増加が横ばいの25%、減少が3ポイント増の16%だった。

今年は売上増を見込む企業が38%、売上減が同24%となっている。利益は増加と減少を予想する企業がともに26%。輸出は19%が増加、15%が減少を見込む。

GKVは樹脂包装材が環境破壊をもたらしているとする世論が樹脂加工業界にもたらす影響についても会員企業にアンケートを実施した。それによると、こうした批判的な世論を受けて「リサイクル樹脂の需要が高まる」との回答は51%と過半数を占め、「樹脂以外の素材に取って代わられる」(28%)、「バイオプラスチックの需要が増える」(21%)を大きく上回った。

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