EUが新型コロナ対策での連携確認

欧州で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることを受けて、欧州連合(EU)は6日、ブリュッセルで保健担当相の緊急会議を開き、情報共有や医薬品、医療用品の確保などで加盟国が連携する方針を確認した。ただ、3月に入り、ドイツやフランスがマスクの輸出禁止や国による生産と在庫の管理に乗り出したことに対し、「欧州の連帯の精神に反する」(ベルギーのデブロック保健相)といった批判の声も上がった。

欧州で最も感染が広がっているイタリアでは10日7時までに感染者が9,172人に達し、中国に次いで2番目に多くなった。死者も463人に上る。

フランス、ドイツ、スペインなど周辺国でも感染が拡大しており、仏政府は4日、感染拡大に伴う医療用マスクの不足に対応するため、国による管理措置を発動。医師の処方箋がなければ購入できない仕組みが導入された。アルコール消毒剤もインターネット上で法外な価格で取引されているため、政府が価格を決定する政令を発表した。さらに8日にはマクロン大統領の呼びかけで対策会議を開き、開催を禁止するイベントの規模を従来の5,000人以上から1,000人以上に厳格化することを決めた。

独内務省は4日、新型コロナウイルスへの対応に当たっている国内の医療従事者らに防護用の医療用品が行き渡るようにするため、マスクや手袋、つなぎなど防護用品の輸出を禁止すると発表した。感染症対策などを担うロベルト・コッホ研究所(RKI)のウィーラー所長は6日、医療現場がパンク状態になりつつあると警告し、病院に行くのは緊急時に限定するよう呼びかけた。シュパーン保健相は8日、1,000人以上が集まるイベントの中止を勧告した。

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