ドイツのアンゲラ・メルケル首相は18日、公共放送ARDで市民に向けて演説し、新型コロナウイルスの感染拡大を「戦後ドイツ最大の試練」だとして、「ウイルスに対する闘い」に各人が「自らの課題」として取り組むことを要請した。市民一人ひとりが人との接触を可能な限り自粛しないと、感染拡大のスピードが弱まらず、国内の医療機能麻痺や死亡者の急増など深刻な結果をもたらすためで、「この試練を甘くみてはいけない」と注意を促した。
政府は最終的に市民の60~70%が感染すると予想している。このため治療法とワクチンがない現時点で感染者が急速に増えると、医療機関がパンクし重篤な患者に適切な治療を施せなくなる恐れある。
政府はこの認識に基づいて、感染拡大の起点となる人と人の接触を可能な限り減らしたい考えで、18日には基本的な生活の維持に必要のない商品・サービスを提供する事業者への営業停止命令を、州政府を通して出した。
それでも多くの店舗が閉店となった市中心部を好奇心から散歩したり、公園で友人などとたむろする市民が少なくなかったことから、国と州のは22日、不急不要の外出を禁止することを決めた。
