ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した3月の乗用車新車登録台数は前年同月比37.7%減の21万5,119台へと縮小し、減少幅は東西ドイツ統一(1990年)後で最大となった。新型コロナウイルスの感染拡大が直撃した格好で、ほぼすべてのブランドで減少。1~3月も前年同期比20.3%減の70万1,362台と大きく落ち込んだ。
国と州は感染拡大の起点となる人と人の接触を可能な限り減らすため、基本的な生活の維持に必要のない商品・サービスを提供する事業者に対し18日に営業停止を命令した。自動車販売店は実店舗で営業できない状態にある。陸運局の業務能力が新型コロナの影響で低下していることもあり、新車登録台数が激減した。
主要ブランドで3月の新車登録が増えたのはスバル(1.6%増の522台)だけで、そのほかはすべて減少した。
ドイツ車の減少幅はすべて2ケタ台に達した。各ブランドの実績はミニが20.7%減の3,717台、BMWが21.3%減の2万47台、メルセデスが28.2%減の2万132台、ポルシェが28.7%減の1,941台、VWが35.1%減の4万643台、アウディが36.5%減の1万8,904台、フォードが50.3%減の1万2,730台、オペルが51.8%減の1万851台、スマートが84.4%減の641台。
スバル以外の日本車はレクサスが2.8%減の276台、日産が19.9%減の3,825台、トヨタが25.7%減の5,339台、三菱が36.2%減の4,313台、ホンダが52.1%減の890台、スズキが55.4%減の1,976台、マツダが57.0%減の3,048台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドはテスラが4.4%減の2,263台、起亜が15.4%減の4,785台、ボルボが23.5%減の3,751台、DSが25.2%減の217台、双竜が26.2%減の127台、ジャガーが27.2%減の719台、セアトが27.3%減の9,052台、フィアットが31.7%減の6,801台、シュコダが40.5%減の1万2,133台、ランドローバーが44.0%減の1,244台、現代が46.5%減の5,981台、ジープが46.6%減の950台、ダチアが48.5%減の3,339台、ルノーが50.7%減の6,270台、シトロエンが50.7%減の3,033台、プジョーが55.5%減の3,157台、アルファロメオが63.2%減の151台。
3月の新車登録を動力源別でみると、ガソリン車は48.3%減少し、シェアは前年同月の60.2%から50.0%へと低下した。ディーゼル車も39.3%減となり、シェアは32.4%から31.6%へと縮小している。
動力源に電力を用いる車両はこれまでに引き続き好調だった。ハイブリッド車は62.0%増の2万8,735台へと拡大。プラグインハイブリッド車は207.9%増の9,426台を記録した。電気自動車は56.1%増の1万329台だった。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は149.0グラムで、前年同月を4.9%下回った。
新車登録を車種別でみると、キャンピングカーは2.3%増加。そのほかはすべて減少した。減少幅はミニバンで67.3%と特に大きかった。SUVは37.5%減、コンパクトカーは37.2%減だった。
新型コロナの影響は生産と輸出、新規受注にも出ている。独自動車工業会(VDA)が同日発表した3月の国内乗用車生産台数は28万7,900台で、前年同月を37%下回った。輸出台数は32%減の23万4,500台。1~3月は生産台数が前年同期比20%減の101万7,700台、輸出台数が21%減の77万1,300台だった。3月の新規受注台数は国内で30%、国外で37%減少。1~3月もそれぞれ22%、18%落ち込んだ。