独電気電子工業会(ZVEI)は9日、独電機業界の景況感が3月に大きく悪化したことを明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大が反映された格好。同景況感の調査は3月半ばに終了しており、コロナ危機が一段と先鋭化している現在は状況がさらに厳しくなっているとみられる。
電機業界の景況感指数は現状判断を示す指数と今後の見通しを示す期待指数の中央値。3月は前月のプラス0.5からマイナス18.5へと19ポイント悪化した。期待指数(今後6カ月の見通しが「良い」とする回答の割合から「悪い」とする回答の割合を引いた数=DI)がプラス4.5ポイントからマイナス30.3ポイントへと34.8ポイント落ち込んだことが響いた格好だ。現状判断指数(現状を「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数=DI)もマイナス3.4ポイントからマイナス5.8ポイントへと下落した。
景況感指数は計15部門のうち11部門でマイナスとなった。マイナス幅が最も大きかったのは通信機器(62.9)で、これに配線システム(36.2)、娯楽家電(35.8)、電気駆動装置(31.1)が続いた。同指数がプラスとなったのは電線(20.5)、情報機器(2.6)、白物家電(2.3)の3部門のみ。鉄道車両はプラスマイナス0だった。
今後3カ月の輸出見通しを示す指数(DI)も前月のプラス9.3ポイントからマイナス12.6ポイントへと悪化した。マイナス幅は特に医療機器(44.4ポイント)、配線システム(36.2ポイント)、通信機器(31.6ポイント)、電子部品(27.5ポイント)で大きい。同指数がプラスとなったのは鉄道車両(100.0ポイント)、電線(21.2ポイント)、白物家電(7.2ポイント)だけだった。
3月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合は前月の23.1%から15.9%へと減少した。「縮小」は同14.0%から27.5%へと増えており、「拡大」と「縮小」の差(DI)は前月のプラス9.4ポイントからマイナス11.9ポイントへと悪化した。同DIのマイナス幅は配線システム(56.8ポイント)、娯楽家電(39.1ポイント)、電気駆動装置(25.9ポイント)、医療機器(25.2ポイント)、電子部品(21.2ポイント)で大きかった。プラスとなったのは電線(25.3ポイント)、白物家電(7.7ポイント)、照明(6.4ポイント)、計測機器・プロセスオートメーション(4.5ポイント)の4部門だけだった。