ルフトハンザ―公的支援申請へ、総額は最大100億ユーロ―

航空大手の独ルフトハンザ(フランクフルト)は23日、公的支援を受けるために欧州4カ国の政府と協議していることを明らかにした。新型コロナ危機で今後の資金繰りに不安があることから、ドイツ、スイス、オーストリア、ベルギー政府から融資と出資を受ける方向だ。メディア報道によると、支援総額は90億~100億ユーロに達するという。

同社は現在、手元の流動性をおよそ44億ユーロ保有している。3月半ば以降は総額9億ユーロの外部資本も確保した。

だが、旅客機の運航がほぼ全面停止している現状や、買掛金の支払い、キャンセルしたフライトの運賃払い戻しを踏まえると、資金繰りが今後、急速に悪化することは避けられない見通しだ。カルステン・シュポール社長によると、ルフトハンザグループでは現在、1時間に100万ユーロのコストが発生している。経済が深刻な危機に陥っている現状では必要な資金を市場で調達する目途が立たないことから、公的支援を受けることにした。メディア報道によると、融資と融資保証、出資を得る方向で4カ国の政府と交渉している。

同日発表した2020年第1四半期(1~3月)期暫定決算の営業損益(EBIT、調整済み)は約12億ユーロの赤字となり、赤字幅は前年同期の3億3,600万ユーロから大幅に膨らんだ。新型コロナ危機に伴う旅客機のほぼ全面的な運航停止、資産価値の低下、燃料の先物取引損が直撃した格好。

売上高は18%減の64億ユーロへと縮小した。旅客機の運航が大幅に減った3月に限ると前年同月比の減収幅は47%(約14億ユーロ)に上る。

第2四半期(4~6月)はフライト停止の規模が大幅に増えることから、EBITの赤字幅は第1四半期を大きく上回る見通しだ。

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