ダイムラー―燃料電池乗用車の生産を停止―

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)が燃料電池乗用車(FCV)の生産を停止する。市場環境が整っていないためで、燃料電池車事業は当面、商用車分野に絞り込む意向だ。『南ドイツ新聞』が報じ、同社が追認した。

ダイムラーは2年前からSUV「GLC」のFCVモデルを少量生産している。累計の生産台数は約3,000台。その生産を近く、停止する。

燃料電池車は燃料に水素を用いることから、水素スタンド網も拡充が普及の前提となる。現時点では広域をカバーするスタンド網実現のめどが立たないことから、生産を停止。動力源に電力のみを用いる乗用車の生産は当面、電気自動車(EV)に絞り込む意向だ。

市場環境が変われば燃料電池乗用車の生産を再開する可能性を排除していないものの、2020年代には考えにくいとしている。

商用車分野では2020年代後半に大型燃料電池トラックを量産する目標で、21日には燃料電池事業をスウェーデンのトラック大手ボルボと合弁化することで基本合意したことを明らかにした。

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