新型コロナ患者用パッチ、ヘンケルが日東電工などと開発

化学大手の独ヘンケルは28日、新型コロナウイルスに感染した患者向けの医療用パッチを日東電工など6社と共同開発すると発表した。医療関係者の負担が大幅に軽減されるとともに、自宅隔離患者の状態を四六時中、チェックできるようになるとしている。

7社は患者の呼吸、心拍数、体温を自動的に測定し、これらのデータをクラウドに無線送信する医療用パッチを開発する。もともとは心疾患、てんかん患者向けに開発してきたが、新型コロナがパンデミックに発展し世界に大きな影を落としていることから、新型コロナ向けの開発を開始した。近日中にベルギーのオースト・リンブルフ病院で約20人の患者を対象に臨床試験を開始。その結果を踏まえさらに複数の病院と介護施設で試験投入する。患者数の再増加が予想される今秋に市場投入する計画だ。

ヘンケルは同パッチの電極と導電性インクを開発した。これらの材料の効果で、従来製品では1日しか使用できなかったパッチが5日間、使用できるようになるという。

新型コロナ患者の呼吸数など生体データは現在、医療関係者が直接計って記録している。医療用パッチを使用すると、これらの作業を行う必要がなくなるため、労力が大幅に減るほか、感染リスクも低下する。また、自宅や介護施設の患者の生体データを常に把握できることから、容態の急変に迅速に対応できるようになる。

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