住友電気工業―独で大規模な送電線事業受注―

住友電気工業は11日、ドイツの送電会社アンプリオンから大規模な送電線敷設事業を受注したと発表した。同国北西部のエムデンとオスターアト間に建設される2つの交流直流変換所を結ぶ約300キロメートルの地中送電線の設計、製造、敷設、保守を請け負う。受注額は約600億円で、同社の送電線事業では過去最高となる。

住友電工は同プロジェクトで、独自に開発した業界最高水準となる525キロボルトの電圧に対応する架橋ポリエチレン絶縁ケーブル技術を採用した高圧直流ケーブルシステムを敷設する。2023年の着工を予定している。

このプロジェクトは洋上風力発電で発電した電力を内陸に供給する長距離基幹送電網を構築する事業の一部。地中送電線は南端のオスターアトの変換所で架空送電線に直結し、南部の電力需要地に電力を供給する。

住友電工は現地の高圧ケーブルメーカー、スドカーベルと提携し、同事業を進める。スドカーベルは住友電工の絶縁技術を採用した高圧直流ケーブルを製造するほか、工事やプロジェクト管理をサポートしていくという。

同社は2019年に英国、ベルギーを結ぶ高電圧の絶縁ケーブルシステムを納入したばかり。この実績が評価され、今回の大型受注にこぎ着けた。欧州では2020年度に総額約1,000億円規模の直流送電ケーブル事業受注を見込んでいる。

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