シーメンス―「業績の底ばいは6~9カ月続く」=社長―

独電機大手シーメンスのジョー・ケーザー社長は8日、米放送局CNBCに、新型コロナ危機に伴う業績の低迷は4-6月期(第3四半期)に底を打つものの、底ばいは6~9カ月続くとの見方を示した。これに伴い2020年9月通期の業績見通しを撤回。「緩やかな売上増」を見込むとした従来予測を「緩やかな売上減」へと下方修正した。一株利益で6.3~7ユーロを実現するとした目標も取り下げている。

同日発表した20年1-3月期(第2四半期)決算の産業4部門の営業利益(EBITDA、調整済み)は前年同期比18%減の15億9,200万ユーロへと落ち込んだ。新型コロナ危機のほか、スマートインフラン部門の人員削減やデジタル・インダストリー部門の減収が響いた。産業4部門の売上高は横ばいの131億4,900万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の14.7%から12.1%へと低下した。

金融サービス部門と「ポートフォリオ・カンパニーズ(POC)」を含む同社全体の売上高は横ばいの142億2,500万ユーロ、EBITDA(調整済み)は33%減の13億1,600万ユーロだった。金融サービス部門では新型コロナ危機を受けて貸倒引当金5,200万ユーロを積み増したことから、大幅な減益となった。

株主帰属の純利益は64%減の6億5,200万ユーロへと大きく落ち込んだ。比較対象の19年1-3月期は税引当の取り崩しで利益が押し上げられており、その反動が出た格好だ。

同社は今回、火力・風力発電設備部門の分離・新規株式公開(IPO)を9月末までに実施するとしたこれまでの計画を堅持することも明らかにした。

上部へスクロール